
FURIKOがもたらす身体への効果
―本研究では、neten株式会社が提供する
「FURIKO」を用いて、
骨密度と自律神経への効果を検証しました
(WCKSS 2025 / 広島大学 × neten株式会社)
FURIKOの使用で見られた変化(1か月間の検証)
☑️骨強度を示す指標が有意に増加
☑️ 自律神経のバランスが有意に改善
☑️ストレス指標(PSI)が有意に低下
はじめに
骨粗鬆症は、閉経後女性の約30%に見られる代表的な骨の疾患です。
また、高齢者の約40%では、自律神経機能の低下(ストレス調整の不具合)が
見られることが報告されています。
これらは 筋骨格の衰え だけでなく、睡眠・気分・日中の活力 にも
影響することが分かっています。
一方、近年は 微弱な振動刺激 が骨と自律神経に良い影響を及ぼすことが
示されていますが、従来は 「一定の周期で揺れる振動(周期性振動)」 が中心でした。
本研究で用いたFURIKOは、これとは異なり、
リズムが揺らぎ続ける“非周期連続合成信号”を発生させます。
この「予測できない微小刺激」が、より身体に対して自然で効果的な情報入力になる
可能性が注目されています。
本研究では、非周期連続合成信号による振動刺激が
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骨密度
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自律神経バランス(交感神経と副交感神経の調整能力)
に対してどのような影響を与えるかを検証しました。

研究方法


項目内容
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研究デザイン1ヶ月間のランダム化比較試験
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参加者健康な高齢者 35名
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介入群FURIKOを1日15分、週7回 使用
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対照群通常の生活のみ
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評価項目骨密度指標 / 自律神経指標(LnTP, PSI)
結果
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SOS(骨密度)有意に上昇(p<0.05).
➡︎ 骨の強度向上
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BAR(骨面積比)有意に上昇(p<0.05)
➡︎ 骨の構造がより強固に
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LnTP(自律神経パワー)有意に増加(p<0.01).
➡︎ 自律神経全体の活性が改善
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PSI(ストレス指標)有意に減少(p<0.01)
➡︎ ストレス抵抗性の向上

考察(今回の変化が見られた背景)
1. 骨形成メカニズム
FURIKOの「ゆらぎを含む非周期振動」は、
骨に対して 予測できない新しい刺激 を与えます。
これにより、骨の代謝を担う 骨芽細胞の活性が高まりやすくなる と考えられます。
2. 自律神経の調整
FURIKOの信号は「自然界のリズム(1/fゆらぎ)」に近く、
副交感神経が優位になりやすい状態を促します。
その結果、
ストレス耐性が向上し、体が休みやすい状態へ 導きました。
3. 臨床的意義
毎日 15分 という短時間で効果を示したことは、
高齢者にとって継続可能性が高い という大きな利点です。
FURIKOは、大型機器や特別なスキルを必要とせず、
自宅でも導入可能な介入手段 となりえます。
「骨と自律神経を同時に整える新しいアプローチ」
として期待されています。
まとめ
1か月間の「非周期連続合成信号」を発生する振動装置 FURIKO の使用により、
以下の健康関連指標に変化が見られました。
☑️ 骨の音速指標(SOS)の上昇
骨の密度や弾性を反映する指標が有意に増加。
☑️ 骨面積比(BAR)の増加
骨構造の強度に関わるパラメータが改善。
☑️ 自律神経指標(LnTP, PSI)の改善
自律神経全体の活動性が高まり、ストレス反応が低減する傾向を示した。
これらの結果から、「一定リズムではないゆらぎを含む振動刺激」 が、
骨代謝や自律神経調整に対して良好な影響を与える可能性が示唆されました。
本研究は、従来の周期的な振動刺激とは異なる
「非周期連続信号による刺激」という新しいアプローチ の有用性を示すものであり、
今後は対象人数を拡大した検証を通して、
骨形成メカニズムおよび自律神経調節メカニズムの詳細を明らかにしていく予定です。
注記
本ページの内容は、SMA/WCKSS 2025 学会ポスター
"Effects of Aperiodic Continuous Composite Signal Stimulation on Bone Density and Autonomic Nervous Function: A Study Using the FURIKO Device"
の発表内容に基づいて作成しています。
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本研究は、健康増進および身体調整に関する科学的理解を深めることを目的として実施されました。
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記載内容は治療・診断・疾病の改善を保証するものではありません。
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本ページに示された研究結果・グラフ・記述は、学会発表時点のデータに基づきます。
掲載情報
骨と微弱振動刺激(低強度メカニカルシグナル)
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Rubin CT, Judex S, Qin YX.
Low-level mechanical signals and their potential as a non-pharmacological intervention for osteoporosis.
Age and Ageing. 2006;35-S2:ii32–ii36.
→ 低強度・短時間の微弱振動でも骨形成が促進されることを示した総説。2 -
Judex S, Rubin C.
Mechanical signals modulate bone mass and morphology regardless of muscle activity.
Journal of Applied Physiology. 2010;108(6):1483–1491.
→ 骨形成は「大きな負荷」ではなく「頻度や信号パターン」により調節されると示した研究。
ゆらぎ刺激(1/f ゆらぎ)と自律神経
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Hasegawa H et al.
The effect of 1/f fluctuation of sound on heart rate variability.
Journal of Physiological Anthropology. 2013;32:11.
→ 1/fゆらぎは副交感神経優位状態を誘導することを示した研究。
自律神経(HRV)とストレス調整
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Shaffer F, McCraty R, Zerr CL.
A healthy heart is not a metronome: HRV and the neurocardiac function.
Frontiers in Psychology. 2014;5:1040.
→ HRV(LnTP, LF/HF等)が「ストレス耐性と自律神経均衡」を評価する科学的根拠を整理した総説。
ランダム/非周期振動による効果
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Yamada E et al.
Stochastic resonance whole-body vibration improves muscle strength and balance in older adults.
Journal of Physiological Anthropology. 2015;34:24.
→ ランダム振動(=予測できない微小刺激)が、周期振動より効果的である可能性を示した研究。











