骨の役割と全身の骨格|手・足・骨盤・背骨を解説
更新日:10月8日
OSTEO®は、ただ骨を鍛えるのではなく、それぞれの骨が持つ機能を重視しています。
私たちの体には約200個の骨があります。一つひとつを、はじめから分けて考えるのは大変です。
そこでOSTEO®では、骨文法(勇崎、2019)の考え方をベースに、全身の骨を機能別に3種類に分類して、骨の強化を考えています。
今回は、簡単で新しい骨の機能を中心とした分類法をご紹介します。
目次
4.まとめ
1. 動きを生み出す:手と足の骨
手と足の骨は、細かな動きや全身の移動を可能にする重要な役割を果たします。
手の骨
人間の手は、片手で27個の骨からできています。両手を合わせると54個です。
全身の骨はおよそ200個。小さな両手の中に、全身の4分の1以上の骨が集まっています。
これが意味するところは何でしょうか?
もし手の骨が10個程度しかなかったら、私たちはこれほど器用に手を使うことができなかったでしょう。
絵を描く、楽器を演奏する、細かな料理をする。こうした精密な動きは、多くの骨からなる手の構造があるからこそ可能なのです。
したがって、手の動きを向上させ、鍛えるということは、すなわち骨と、その周辺組織の協調性を高めることに他なりません。
この複雑な構造を理解し、適切に使用することで、私たちはより巧みな手の動きを獲得し、さらなる可能性を開くことができるのです。
足の骨
足は26個の骨で構成されており、これは手の27個とほぼ同数です。形は異なりますが、手と足はほぼ同じ構成となっています。

全身の体表面積から見れば、手と足は小さな面積にすぎませんが、両者を合わせると全身の骨の約半数を占めています。
この事実だけでも、手と足の重要性が窺えます。
手と足の構造は似ていますが、足の骨が担う決定的に異なる機能は「重い体重を支える」ことです。
体重を支えながら多彩に動くという、小さな面積の足にとっては奇跡的とも言える仕事を可能にしているのが、足の特殊な機能です。
2. 支える・つなぐ:骨盤と肩甲骨

腰(骨盤)
身体の中心で体重を支える骨盤は、左右の寛骨と仙骨・尾骨で構成されています。
成人の寛骨は、腸骨・坐骨・恥骨が成長の過程で癒合した骨です。[1]
骨盤の構造を理解するために知っておきたい5つの名称:
1. 仙骨
2. 尾骨
3. 腸骨
4. 恥骨
5. 坐骨
腰は、背骨を支える大きな骨に分類されており、身体の要と呼ばれるほどに重要な機能を担っています(勇崎、2019)。
その主な役割は、重さを「支える」機能です。
OSTEO®では、腰の骨を一つのかたまりとして扱うだけでなく、骨盤のどこで重さを支えているかに注目します。
骨盤は一枚の均一な板ではありません。坐骨で座面を支える、股関節へ重さを渡すなど、場所によって働きが異なります。
OSTEO®では、その違いを踏まえ、部位ごとの働きに合う動かし方や負荷を考えます。
OSTEO®では、骨盤の支える働きに目を向け、股関節や背骨と一緒に荷重を受け渡すことを重視します。
骨盤を動かすことだけで腰痛が改善すると決めつけず、痛みがある場合は、その原因や動き方も含めて考えます。
立っているときは、骨盤から股関節を通って脚へ重さが伝わり、座るときは坐骨が支えになります。
日常の動作の中で、骨盤のどこが支えになっているかに目を向けてみましょう。[1]
肩甲骨
肩甲骨は、上腕骨や鎖骨とつながり、腕と体幹を結ぶ役割を担っています。腕を動かすときには、肩甲骨や鎖骨も一緒に動きます。[2]

OSTEO®では、肩甲骨の動きにも注目します。腕と体幹をつなぐ骨として、上腕骨や鎖骨と一緒に動きを確かめます。
肩甲骨の動きは、腕の動かしやすさに関わります。ただし、肩こりや肩の痛みの原因は一つではありません。
肩甲骨の動きだけで原因を決めつけないことも大切です。[3、5]
肩甲骨だけを単独で考えるのではなく、つながる骨を含めて動きを見ることが重要です。
OSTEO®では、上腕骨・肩甲骨・鎖骨と、胸郭の動きのつながりを確かめます。
たとえば肘を前へ運ぶとき、上腕骨だけでなく、肩甲骨が胸郭の上をどう動くかにも目を向けます。
肘を入口に、肩の周りの骨のつながりを確かめる考え方です。
骨盤と肩甲骨では構造も役割も異なります。それぞれの支え方や動き方を確かめ、痛みのない範囲で、自分の状態に合う負荷を選びましょう。
3. 動きの統合:背骨の重要性
背骨(脊椎):生命活動の要となる驚異の構造
背骨は、多くの椎骨が連なる構造です。首から腰までは、次の3つの部分に分かれます。
- 頸椎(けいつい):7本の骨で構成される首の部分
- 胸椎(きょうつい):12本の椎骨で構成される胸の部分
- 腰椎(ようつい):5本の椎骨で構成される腰の部分
この下に、骨盤の一部でもある仙骨と尾骨が続きます。[4]
背骨では、隣り合う椎骨の小さな動きが重なって、身体を曲げる・伸ばす・ひねるといった動きにつながります。
骨盤や胸郭と一緒に、体幹の動きをつくる構造です。[4]
長時間同じ姿勢で過ごしたら、立ち上がる・歩く・手を伸ばすときに、背骨・骨盤・胸郭の動きを確かめてみましょう。
背骨を大きく反らせることだけを目標にする必要はありません。
OSTEO®では、手足の動きを、肩甲骨や骨盤を介して体幹につなげて考えます。
手を伸ばす、立ち上がる、歩くときに、どこか一つだけを固めず、骨と関節のつながりを使うことを重視しています。
この全身の骨の協調的な動きを意識することで、私たちは本来の身体の可能性を最大限に引き出すことができるのです。
4. まとめ
OSTEO®は、骨を中心とした革新的な健康アプローチです。
1. 部位別アプローチ:
各部位の骨の特性と機能を深く理解し、それぞれの潜在能力を最大限に引き出します。
2. 骨格全体の統合:
個々の骨の強化にとどまらず、関節を介してつながる「骨格」全体としての機能向上を目指します。
3. 動的な視点:
身体が動くことを想定し、静的な強化だけでなく、動的な視点を取り入れて骨格を調整します。
4. 科学的根拠:
最新の骨科学の知見に基づいた、効果的なエクササイズを提供し、研究ベースでその効果検証も行っています。
OSTEO®は、骨を起点に、関節を介した全身の連動を重視します。手を伸ばす、立ち上がる、歩く。
いつもの動きを、どの骨が支え、どの関節が動いているかという視点で見直してみましょう。
解剖の参考
[1]OpenStax. Anatomy and Physiology: The Pelvic Girdle and Pelvis.
[2]OpenStax. Anatomy and Physiology 2e: The Pectoral Girdle.
[3]American Academy of Orthopaedic Surgeons. Shoulder Pain and Common Shoulder Problems.
[4]OpenStax. Anatomy and Physiology: The Vertebral Column.
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骨・姿勢・動きの考え方を、動画を見ながら実践できます。
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執筆者
黒坂 志穂(くろさか しほ)
広島大学 准教授/株式会社OSTEO 代表取締役。骨に着目した運動プログラムOSTEO®の開発と効果検証に取り組んでいます。



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