股関節ストレッチ|寝ながらできる基本動作と女性の注意点
更新日:10月10日
寝ながらの股関節ストレッチは、片膝を胸へ近づける動きや、曲げた膝を外へ開く動きから始められます。骨盤と大腿骨の動きを感じながら、痛みのない範囲でゆっくり行いましょう。
目指すのは、歩く・しゃがむ・立ち上がるために必要な動きを使いやすくすることです。開脚の大きさや左右の角度を無理にそろえる必要はありません。
股関節は、骨盤と大腿骨をつなぐ関節
股関節は、骨盤のくぼみに大腿骨の丸い先端が収まる球関節です。歩行や立ち上がりでは、股関節だけでなく、骨盤・背骨・膝・足も連動します。
脚を動かすときに、腰を強く反らしたり、骨盤ごと大きく転がったりしていないかを見ます。OSTEO®では、骨と関節の動きを確かめ、余分な力みを減らすことを重視しています。

寝ながら始める前の確認
仰向けでは床やベッドが体を支えるため、立って行う運動よりバランスを取る負担を減らせます。安全に寝起きできる場所を選び、呼吸を止めずに動かします。
人工股関節のある方、股関節の手術後の方、骨粗鬆症や骨折歴がある方は、先に担当医や理学療法士へ相談してください。指示された動きの制限がある場合は、その範囲を優先します。
基本① 片膝を胸へ近づける
仰向けで両膝を曲げ、両足を床につけます。片脚をゆっくり持ち上げ、必要に応じて膝の裏に手を添えながら、膝を胸の方向へ近づけます。
反対側の足は床につけたまま、腰や骨盤を大きく丸めずに動ける範囲を確かめます。膝を胸につけようと引っ張らず、ゆっくり元へ戻して反対側も確認します。
基本② 曲げた片膝を外へ開く
仰向けで両膝を曲げ、両足を床につけます。片方の膝を小さく外へ開き、骨盤全体が一緒に転がらない範囲で、ゆっくり元の位置へ戻します。
反対側の膝は立てたままにし、呼吸を続けます。膝を手で押して開いたり、左右差を無理にそろえたりせず、股関節が動く方向を感じましょう。
ここで紹介した2つは、動きを確かめるための基本例です。回数や保持時間を増やす前に、痛みや動きにくさが出ていないかを確認します。
痛みがあるときは、伸ばす量を増やさない
鋭い痛みや、脚の付け根の痛みを伴う詰まり感が出たら中止します。痛みを我慢して可動域を広げず、症状が続くときや、睡眠・普段の動作に響くときは整形外科で相談しましょう。
転倒やけがの後に強く痛む、または脚に体重をかけられない場合は、体操を中止します。速やかに救急受診・救急相談をしてください。
突然の強い痛み、股関節の熱感・腫れ、股関節の痛みと発熱がある場合は、当日中に医療機関へ相談してください。痛みの強さや体調に応じて救急受診を選びます。
ストレッチで可動域は本当に広がる?
2024年のメタ解析では、健康な人を対象に2週間以上続けたストレッチを検討しています。77研究・186効果量を統合し、対照群より関節可動域が増えたと報告されました(Konrad et al., 2024)。
静的ストレッチやPNFでは、動的な方法より大きな可動域の変化がみられました。ただし、対象の関節・年齢・実施方法はさまざまで、この記事の2つの動作や50代女性だけを検証した結果ではありません。
この研究は、ストレッチを継続する意義を考える根拠になります。OSTEO®では、角度の大きさだけを目標にせず、必要な動作で無理なく使える範囲を大切にしています。
股関節の前側は、伸ばす時間にも注意
股関節前面のストレッチを扱った別のレビューでは、主に若い健康な成人のストレッチ直後の力発揮などを調べています。短い実施では有意な低下はみられず、長い実施では小さな低下が報告されました(Konrad et al., 2021)。
これは、その場の運動パフォーマンスについての結果です。長く強く伸ばせばよいとは考えず、痛みの有無や、その後の動きやすさを見ながら方法を選びます。
50代以降は、立つ・歩く動きへつなげる
股関節を動かした後は、普段の立ち上がりや歩行で、動きやすさを確かめます。OSTEO®では、足裏で床を支え、骨盤と大腿骨の位置関係を感じながら、日常の動作へつなげます。
立ち上がるときに腰だけを反らしていないか、歩幅を無理に広げていないかも見てみましょう。一度の軽さだけで効果を判断せず、痛みなく続けられる動きを選びます。

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参考文献・研究情報
▶ 骨に有効な体操はこちら。
OSTEO®の動画配信では、骨・姿勢・動きの考え方を実践しながら学べます。
執筆者
黒坂 志穂(くろさか しほ)
広島大学 准教授/株式会社OSTEO 代表取締役。骨に着目した運動プログラムOSTEO®の開発と効果検証に取り組んでいます。





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