肋骨を広げて呼吸しよう|姿勢と呼吸を整える「肋骨呼吸」
更新日:10月7日
「肋骨を締める」「肋骨を細くする」という情報を見かけますが、OSTEO®ではむしろ逆に考えます。
大切なのは、肋骨を押し込んで閉じることではありません。吸うたびに、胸郭を前後・左右・背中側まで大きく広げられることです。
肋骨がしっかり動くと、胸がつぶれにくくなり、背骨も起こしやすくなります。さらに、一回の呼吸で取り込める空気量を確保しやすくなります。
つまり、呼吸・姿勢・見た目を同時に整えやすい。これがOSTEO®で考える「肋骨呼吸」です。
結論|肋骨は「締める」のではなく、吸うたびにしっかり広げる。吐くときは必要に応じて体幹も動かし、深い呼気をつくる。この“広がる・戻る”動きを毎日の呼吸にすることが重要です。
肋骨は「締める」より「広げる」
肋骨・胸骨・胸椎でつくられる胸郭は、呼吸のたびに形を変えます。吸気では外肋間筋などが肋骨を持ち上げ、横隔膜が収縮して下がることで、胸郭の容積が大きくなります。
ここで重要なのは、骨を無理に変形させて胸を大きくすることではありません。本来ある胸郭の可動域を使い、肋骨が前だけでなく、横や背中側にも立体的に広がる状態をつくることです。
胸郭が十分に動ければ、横隔膜も呼吸に合わせて動きやすくなり、深い吸気をつくりやすくなります。
大きく吸える胸郭は、姿勢をつくりやすい
胸郭がつぶれていると、胸椎は丸くなりやすく、肩も前に入りやすくなります。逆に、吸うときに肋骨が前後・左右へ広がる余地があると、胸郭を起こした姿勢をつくりやすくなります。
見た目の面でも、ウエストだけを強く締め込むより、胸郭が自然に起きて首・肩・背中の位置が整った方が、身体のラインはすっきり見えやすくなります。
OSTEO®では、細くするために骨格を押し込むのではなく、骨格が本来の大きさで動けることを優先します。
深い呼吸はガス交換を支える基本動作です。ただし、「肋骨を広げれば基礎代謝が上がる」とまで直接証明されているわけではありません。
ここでは、呼吸量を確保しやすい姿勢と胸郭の動きが、日常の循環や活動を支える土台になる、と考えます。
呼吸で最初に意識したいのは「しっかり吸う」こと
呼吸法では「吐くことが大切」とよく言われます。もちろん吐くことも必要です。ただ、OSTEO®でまず重視したいのは、吸って肋骨を大きく広げることです。
毎回、胸・脇腹・背中まで空気を入れるように吸う。肋骨が外へ広がる感覚を繰り返す。これを習慣にすると、日常の一呼吸一呼吸そのものが胸郭の運動になります。特別な運動時間だけでなく、普段の呼吸から骨格を動かすという考え方です。
吐くときは、じっと吐き切るより「動きながら」
静かな呼吸では、吐く動作の多くは肺や胸郭の弾性で自然に起こります。一方、さらに深く吐くときには腹筋群や内肋間筋などの呼気筋が働き、胸郭の容積をより小さくして空気を押し出します。
そのため、最後までただ静止して吐き続けるより、背中を丸める、体幹を軽くひねる、脇腹を縮めるように動くなど、胸郭と体幹の動きを合わせた方が、通常の呼気後にまだ吐き出せる空気を出しやすくなります。
体感としても、動きを加えた方が深い呼気をつくりやすいはずです。ただし、生理学でいう「残気量」は、最大限に吐いたあとにも肺の中に残る空気です。これは肺胞や気道がつぶれないためにも必要で、ゼロにすることはできません。
ここで出しやすくなるのは、安静呼気のあとにさらに吐き出せる「呼気予備量」に相当する部分です。
背中を丸めながら、ゆっくり吐く
体幹を左右へ軽く動かしながら吐く
脇腹や肋骨の下部を縮めるように吐く
つまり、吐くときも「力んで沈み込む」のではなく、骨格を動かしながら自然に深い呼気を引き出すことがポイントです。
OSTEO®式「肋骨呼吸」のやり方
肩の力を抜き、背骨を無理なく起こす
鼻から大きく吸い、胸・脇腹・背中まで360度に肋骨を広げる
広がった肋骨が自然に戻るように、ゆっくり吐く
最後は背中を丸めたり体幹を軽く動かしたりしながら、もう一段深く吐く
一番大切なのは、「細くするために肋骨を閉じる」ことではなく、「吸うたびに肋骨が大きく広がる身体」をつくることです。
肋骨呼吸は、一石三鳥の骨格トレーニング
しっかり吸える胸郭をつくり、呼吸量を確保しやすくする
胸郭と胸椎が動くことで、姿勢を整えやすくする
胸が自然に起き、首・肩・ウエストのラインを美しく見せやすくする
この3つを別々にトレーニングするのではなく、毎日の呼吸で同時に狙えるのが肋骨呼吸の良さです。
OSTEO®では、肋骨を締め込むのではなく、骨格を大きく使い、呼吸できる身体をつくることを大切にしています。
肋骨を広げることを、毎日の呼吸に
肋骨は、細くするために閉じ込める骨ではありません。呼吸のたびに動き、胸郭の容積を変える骨です。
だからこそ、まずは「大きく吸って、肋骨を広げる」。そして吐くときには、必要に応じて身体を動かしながら深く吐く。
この繰り返しを日常にしていきましょう。胸郭がしっかり広がる呼吸を身につけることは、姿勢・呼吸・身体の見え方を一緒に整える、シンプルで効率のよい骨格トレーニングになります。
関連情報
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執筆者
黒坂 志穂(くろさか しほ)
広島大学 准教授/株式会社OSTEO 代表取締役。骨に着目した運動プログラムOSTEO®の開発と効果検証に取り組んでいます。





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