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姿勢改善に筋トレは必要?骨盤・肋骨・背骨から整える動かし方

10月1日
読了時間: 6分

更新日:10月8日

姿勢を整えるために筋トレをするなら、まず骨盤・背骨・肋骨が動き、足元から身体を支えられるかを確かめてみましょう。


OSTEO®では、骨格の動きをつなぎ、その動きを支える筋力を使うことを大切にしています。


胸を張ると腰が疲れる。腹筋に力を入れると息が止まる。背筋を伸ばしても、すぐ元の姿勢に戻る。


こうしたときは、鍛える筋肉の名前だけでなく、骨盤から背骨、肋骨へと続く骨格の使い方に目を向けることが役立ちます。


姿勢を支える土台は、骨盤と背骨のつながり


背骨は、首・胸・腰に自然なカーブを持ち、小さな骨が積み重なっています。その下で土台になるのが骨盤です。


骨盤の傾きが変わると、その上にある腰や胸の位置も変わります。


OSTEO®では、骨盤を土台に背骨を下から積み上げる「骨の積み木」という見方を大切にしています。


腰だけを強く反らせて胸を張るより、どこで座面や床を支え、その上に骨盤・背骨・胸郭がどうつながっているかを確かめます。


このとき筋肉には、その骨格を支え、動きを調整する役割があります。力を入れることと、必要のない力を抜くこと。


その両方を使い分けることが、OSTEO®の姿勢づくりの出発点です。


1.椅子に座って、骨盤を支える場所を探す


まず、キャスターのない安定した椅子に座り、両足を床につけます。


お尻の下で座面に触れる、左右の坐骨を意識してみましょう。坐骨は、骨盤をつくる骨の一部です。


その位置で骨盤を前後にごく小さく動かすと、腰や胸の位置も変わります。


胸を張ろうとする前に、坐骨で支えながら、背骨を無理なく起こせる位置を探します。腰を反らす量を増やす必要はありません。


腸骨・坐骨・恥骨・仙骨・尾骨の位置を示した骨盤の模式図
骨盤をつくる骨の位置。矢印は骨盤全体の動きを表す模式図です。

腸骨・坐骨・恥骨は、成人では一体となって寛骨をつくっています。


それぞれを別々に動かすのではなく、骨盤全体と股関節のつながりを意識します。


確かめたいのは、肩やお腹に強い力を入れなくても座っていられ、呼吸を続けられるかどうかです。


見つけた位置に一日中固定する必要はありません。ときどき立つ、歩く、座り直すなど、姿勢を変えることも含めて考えます。


2.肋骨を広げて、胸郭と背骨を一緒に使う


骨盤の上にある胸郭は、肋骨・胸骨・胸椎でつくられています。


背中の形と呼吸を別々に考えず、息を吸うときに肋骨がどう動くかを確かめてみましょう。


肩の力を抜いて背骨を無理なく起こし、鼻からゆっくり息を吸います。


胸の前だけでなく、脇腹や背中側にも広がる感覚を意識し、吐くときは広がった肋骨が自然に戻るようにします。


椅子に座り、下の肋骨あたりに両手をそっと添える女性
肋骨にそっと手を添えて、息を吸ったときの広がりを確かめます。強く押さえる必要はありません。

OSTEO®の肋骨呼吸で大切にしているのは、肋骨を広げて使えることです。


胸を大きく見せようとして腰だけを反らせず、骨盤の上で胸郭が動く感覚を探してみてください。


呼吸の詳しい考え方は、肋骨を広げるOSTEO®の呼吸へ。


骨粗鬆症や骨折歴のある方は、リンク先の体幹を曲げる・ひねる応用をそのまま行わず、実施範囲を確認してください。


3.立ち上がりで、股関節・骨盤・背骨をつなげる


座ったまま骨盤と胸郭の動きを確かめたら、立ち上がるときにもそのつながりを意識します。


この動作では、足が床を支え、股関節と膝が伸び、骨盤と背骨が上半身を支えます。


  1. 両足を腰幅程度に開き、足裏を床につける

  2. 股関節から上半身を少し前へ運び、足で床を支えながらゆっくり立つ

  3. 立ったところで腰を反らしすぎず、股関節と膝を曲げてゆっくり座る


肩を引き上げたり、腰だけを反らせたりして立とうとしていないでしょうか。


足元の支えと股関節の動きがつながると、下半身の筋力を、立つという目的のある動作の中で使えます。


立ち上がりに不安がある方は、安定した手すりなどを使います。


まずは少ない回数で形を確かめ、痛みやふらつきを我慢して続けないでください。


4.足指の付け根で支え、歩く姿勢へつなげる


立つ・歩く姿勢では、骨盤や背骨の下にある足も大切です。


足は小さな骨が関節でつながり、身体を受け止めたり、前へ送り出したりする働きを担っています。


OSTEO®では、左右交互のかかと上げで、足指の付け根を支点にした骨の「てこ」を意識します。


安定した机などに手を添え、右足の指の付け根を床に残して、右のかかとを無理のない高さまで上げます。左のかかとは床につけたままです。


右を戻したら、今度は左を上げます。膝の動きとかかとの上下をつなぎ、上げる側の指の付け根で支えられているかを確かめましょう。


両足同時のつま先立ちや、片足全体を持ち上げる片足立ちとは形が異なります。


足元の骨を使う感覚を、立つ・歩く動きへつなげることがねらいです。詳しい手順は、骨のてこを使う交互のかかと上げをご覧ください。


腹筋・背筋・下半身の筋トレは、どこで加える?


骨格の動きを確かめたうえで、その動きを保つための筋力づくりを組み合わせます。


立ち上がりで下半身を使う、腕を引く運動で背中を使う、手足を動かしながら体幹で身体を支える、といった考え方です。


背中の筋トレなら、肩をすくめずに肩甲骨が動くか。体幹なら、息を止めずに肋骨が呼吸に合わせて動くか。


回数や重さと一緒に、骨格の動きが保たれているかも見てください。


厚生労働省は、成人・高齢者の筋力トレーニングを週2〜3日行うことを勧めています。これは一般的な健康づくりの目安です。


運動歴や体力に合わせて始め、形が保てる範囲で回数や負荷を調整します。[1]


筋トレによる姿勢の変化は、部位によって違う


2024年の系統的レビューは、23研究・969名をまとめています。筋力トレーニングでは首・胸椎の姿勢指標に改善がみられました。


腰椎・骨盤では明確な効果が示されず、研究数も限られていました。[2]


この結果は、腹筋や背筋を鍛えれば骨盤や背骨が一律に「正しい形」へ戻る、というものではありません。


骨粗鬆症の方を対象にしたレビューでも、この記事のOSTEO®の動きを検証した研究でもない点も区別します。


OSTEO®では、見た目の角度だけでなく、座る・立つ・歩く・呼吸するときに、骨格がどう働くかを大切にしています。


必要な筋力と、骨・関節の動きを一緒に育てるという実践の考え方です。


痛みや骨粗鬆症がある場合は、動きを個別に選ぶ


骨盤を動かすときも、背中を深く丸めたり、反動をつけて反らせたりする必要はありません。


痛みやしびれが出る場合は中止し、続け方を相談しましょう。


急な背中の痛み、転倒後の痛み、身長の低下があるときは、姿勢の癖と決めつけず、骨の状態を確認してください。


骨粗鬆症や背骨の骨折がある方は、医師や理学療法士へ行える姿勢・動きを確認してから取り入れます。[3]


骨格のつながりを、いつもの動作で確かめる


坐骨で座面を支える。骨盤の上で背骨を無理なく起こす。息を吸って肋骨を広げる。立ったら、足指の付け根と股関節の動きを意識する。


こうした小さな確認を、毎日の動作へつなげてみましょう。


姿勢を整えるための筋力も、そのつながりの中で使っていきます。


OSTEO®では、骨格が動き、必要なときに筋肉が働く身体を、日々の実践から目指します。


参考文献・資料


[1]厚生労働省「身体活動・運動ガイド2023」筋力トレーニングの解説。



Sports Med Open. 2024;10:65. doi:10.1186/s40798-024-00733-5.



Br J Sports Med. 2022;56:837–846. doi:10.1136/bjsports-2021-104634.


骨格の動きを、動画を見ながら確かめたい方へ。OSTEO®の体操を、ご自身に合った範囲で取り入れてみましょう。



執筆者


黒坂 志穂(くろさか しほ)


広島大学 准教授/株式会社OSTEO 代表取締役。骨に着目した運動プログラムOSTEO®の開発と効果検証に取り組んでいます。

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