50代の腰回りの肉を落とすには? 更年期の体脂肪と運動を解説
更新日:10月9日
50代の腰回りの肉を落としたいときは、お腹だけの運動に頼らず、歩くなど日々の活動と食事を見直しましょう。体重だけを急に減らすより、骨の健康も守りながら続けることが大切です。
「体重はそれほど変わらないのに、腰回りやお腹の脂肪が増えた」と感じても、意志の弱さだけが原因ではありません。加齢と更年期の両方が、体組成や脂肪分布の変化に関係します。
この記事の要点|腰回りの運動だけで、その場所の脂肪だけが落ちるとは限りません。
50代では、全身の身体活動・筋力トレーニング・食事を組み合わせ、骨と筋肉を落としすぎないことが重要です。
更年期に腰回りが変わりやすい理由

女性を追跡したSWAN研究では、更年期移行期に体脂肪量が増えるとともに、内臓脂肪などの分布にも変化が見られました。
体重の変化と、脂肪量・脂肪分布の変化は分けて考える必要があります。[1・2]
ただし、SWANの日本人参加者では、更年期移行期の体脂肪量の有意な増加は認められず、内臓脂肪の変化も他の集団とは異なりました。日本人参加者でも閉経後には内臓脂肪が増える傾向がみられ、誰もが同じ経過をたどるわけではありません。[1・2]
腰回りだけ部分痩せできる?
特定の部位を動かせば、その周囲の脂肪だけが優先的に減るとは限りません。
腰回りを引き締めたい場合も、全身のエネルギー収支と身体活動を整えることが基本です。
50代女性が優先したい運動
ウォーキングなどの有酸素的な身体活動
椅子からの立ち上がり・スクワットなどの筋力トレーニング
股関節・胸郭などを動かす運動
長時間の座りっぱなしを中断する
厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023では、成人に筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。
座りっぱなしを長くしすぎないことなども勧められています。[3]
食事を減らしすぎない
体脂肪を減らすにはエネルギー収支が重要ですが、50代では極端な食事制限で筋肉や骨まで落とさないことが大切です。
特に骨の健康を考えるOSTEO®では、急激な減量より、必要な栄養を確保しながら緩やかに体組成を整える考え方を重視します。
骨密度も同時に守る
閉経後は骨量が減少しやすくなります。体重だけを急激に減らすことを目標にせず、筋力と骨への荷重を保つ運動を組み合わせます。
HRTは痩せるための治療ではない
ホルモン補充療法は更年期症状などに用いられますが、腹部脂肪を減らす目的だけで行う治療ではありません。
適応・禁忌を含め、婦人科などで相談してください。[4]
OSTEO®の考え方
OSTEO®では、足で身体を支えることと、膝・股関節・骨盤の動きを一緒に見ます。椅子から立つ動作なら、安定した椅子に座り、両足の裏を床につけ、指の付け根を含む足全体の接地を確かめるところから始めます。
足裏で床を支えながら立ち、膝と股関節が伸びる動きを確かめます。呼吸を止めたり、肩を強く固めたりせず、座るときも足の支えを感じながらゆっくり戻ります。
回数を増やす前に、足裏で支えられたか、膝と股関節が動いたかを振り返りましょう。動作中に痛みが出たら中止します。
痛みがある方、骨粗鬆症と診断された方、骨折歴のある方は、始める前に医師へ行える範囲を確認してください。こうした確認を、毎日の立つ・座る動作へつなげます。

今日から始める3つのこと
まず、座りっぱなしが続く時間を一つ見つけましょう。テレビや仕事の区切りに立って歩くなど、今の生活に動く機会を足します。最初から長時間を目指さず、体調に合わせて少しずつ増やしましょう。[3]
次に、椅子から立つときの足裏・股関節・骨盤のつながりを確かめます。OSTEO®では、体重の数字とともに、日常で骨格をどう使うかを大切にします。動き方は、椅子からの立ち上がりを骨格から見るで詳しく紹介しています。
そして、今日の食事を振り返ります。食事を抜くだけで調整せず、魚・肉・卵・大豆製品などの主菜や野菜が取れているかを確認しましょう。[4] 振り返るために、食べたものを短くメモしてみるのも一つの方法です。
まとめ
更年期では腹部脂肪の分布が変化しやすい
腰回りだけを狙った部分痩せは基本的に考えない
有酸素活動と筋力トレーニングを組み合わせる
極端な食事制限で骨・筋肉を落とさない
座りっぱなしを減らす
参考文献・情報
[1]Greendale GA, et al. Changes in body composition and weight during the menopause transition. JCI Insight.
2019;4(5):e124865.
[2]Greendale GA, et al.
J Clin Endocrinol Metab. 2021;106(9):2520–2534.
[3]厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」。
[4]The Menopause Society. Midlife Weight Gain. 2025.
関連情報
▶ 骨に有効な体操はこちら。
OSTEO®の動画配信では、骨・姿勢・動きの考え方を実践しながら学べます。
執筆者
黒坂 志穂(くろさか しほ)
広島大学 准教授/株式会社OSTEO 代表取締役。骨に着目した運動プログラムOSTEO®の開発と効果検証に取り組んでいます。




コメント