骨密度を上げる運動は?70代の大腿骨頸部が変わったOSTEO®研究
更新日:10月5日
「70代からでも、運動で骨密度は変わるの?」この疑問を調べるため、広島大学などの研究チームは、平均74歳の地域在住高齢者22名を対象に、骨に着目した運動プログラムOSTEO®を3か月実施しました。
この記事でわかること
70代22名を対象にした研究の方法
大腿骨頸部・かかと・腰椎で何が変わったのか
なぜ大腿骨頸部の結果が重要なのか
この研究から言えること、まだ言えないこと
研究の結論
OSTEO®を行った期間では、大腿骨頸部の骨密度とかかとの骨の指標に、通常生活の期間と比べて有意な改善がみられました。腰椎骨密度は増加傾向でしたが、通常生活の期間との差は統計的に有意ではありませんでした。
大切なのは、「70代でも骨がまったく変わらないわけではない」ことが、DXAで測った大腿骨頸部でも確認された点です。
研究はどう行った?

対象は平均74歳前後の高齢者22名。研究はランダム化クロスオーバーで行い、同じ参加者が「OSTEO®を行う3か月」と「通常どおり過ごす3か月」の両方を経験しました。
OSTEO®は週1回・60分・3か月。骨は、大腿骨頸部と腰椎をDXAで、かかとを超音波で評価しました。
同じ人の介入期と対照期を比べることで、体格や生活習慣など個人差の影響を小さくしやすい設計です。
大腿骨頸部で有意な改善

大腿骨頸部は、太ももの骨の上端にある、股関節のすぐ下の部分です。高齢者では骨折が問題になりやすく、骨粗鬆症の評価でも重要な部位です。
この研究では、通常生活の期間に大腿骨頸部の骨密度がわずかに低下した一方、OSTEO®の期間では上昇し、2つの期間の差はp<0.05でした。3つの測定部位の中でも、大腿骨頸部は大きな変化を示しました。
かかとの骨も同じ方向へ
かかとの骨では、超音波が骨の中を伝わる速さを示すSOSを評価しました。通常生活の期間にはわずかに低下し、OSTEO®の期間には上昇しました。この差もp<0.05でした。
一方、腰椎骨密度はOSTEO®期間に増加しましたが、対照期間との差は統計的に有意ではありませんでした。
どう受け止めればいい?
この研究は、「週1回の運動を3か月行えば、誰でも骨密度が上がる」と保証するものではありません。参加者は22名で、期間も3か月です。1年、5年と続けた場合や、実際の骨折が減るかどうかは確認していません。
また、運動は骨粗鬆症治療薬の代わりではありません。治療中の方は、薬を自己判断で中止しないでください。
研究から言えること 70代の参加者でも、OSTEO®を行った期間に大腿骨頸部のDXA骨密度とかかとの骨の指標が改善しました。年齢だけを理由に「骨はもう変わらない」と決めつける必要はありません。
なぜ運動で骨が変わるの?
骨は、古い骨を壊し、新しい骨をつくりながら生まれ変わっています。運動の刺激を骨がどのように感じるのかは、別記事で詳しく解説しました。
座ってできる運動から始めたい方へ
「重い筋トレは難しい」という方に向けて、OSTEO®で大切にしている座位運動と片足かかと上げを、実践編として分けました。
研究の限界
参加者は22名
介入期間は3か月
長期的な骨折予防効果は未検証
腰椎では有意差を確認していない
大腿骨頸部の具体的な変化量は元データ確認が必要なため、本記事では掲載していません
参考文献
Kurosaka S, Takaura M, Kadomasu H, Saeki W, Yanaoka T. Effects of Bone Strengthening Program on Femoral and Lumbar Spine Bone Density. World Congress on Kinesiology & Sport Science 2025, Jeju, Korea.
▶ 骨に有効な体操はこちら。
OSTEO®の動画配信では、骨・姿勢・動きの考え方を実践しながら学べます。
執筆者
黒坂 志穂(くろさか しほ)
広島大学 准教授/株式会社OSTEO 代表取締役。骨に着目した運動プログラムOSTEO®の開発と効果検証に取り組んでいます。





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