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OSTEO®を続けると何が変わる?骨の体操の研究成果をまとめました

10月1日
読了時間: 7分

更新日:10月8日

骨の体操「OSTEO®」は、広島大学の黒坂志穂研究室で、年代や対象を変えながら国内外の学会で検証してきた運動プログラムです。


研究対象は、大学生年代の女性、40代女性、高齢女性、要介護高齢者、高校女子長距離選手など多岐にわたります。


評価してきたのも、骨の指標だけでなく、歩行、姿勢、認知機能、肌、血流などさまざまです。

この記事の要点|OSTEO®の研究には、骨の指標に変化がみられたものがあります。

歩く速さ・姿勢・足の使い方・認知機能・肌などにも変化がみられた研究があります。

一方で、多くは数か月・小〜中規模の研究で、長期効果や骨折予防効果まで確認したものではありません。

まず結論:OSTEO®研究で見えてきたのは「骨」と「動ける体」の両方


これまでの研究をまとめて見ると、OSTEO®は骨の指標だけを追う体操ではありません。


立つ・歩く・姿勢を保つといった身体機能まで一緒に評価してきたことが特徴です。


研究によって対象者、運動期間、評価方法は異なるため、すべてを同じ効果としてまとめることはできません。


そこで以下では、研究ごとに「何を調べて、何が変わったのか」を分けて整理します。

OSTEO®の研究領域をイメージした骨格と健康運動のやわらかいイラスト
OSTEO®では、骨だけでなく、姿勢・歩行・身体機能まで含めて研究しています。

OSTEO®とは


OSTEO®は、骨に着目した運動プログラムです。


研究発表では、時期や対象によってBONEプログラム、SMILE体操、広島GENKI体操、OSTEO®、OSTEOなどの名称が使われています。


共通するのは、激しい筋力トレーニングだけを目的にしないことです。


骨・関節の動きや身体の連動を意識しながら、無理のない反復刺激を加えていく考え方を重視しています。


研究① 大学生年代の女性:足の骨に着目した体操


大学生年代の女性を対象とした研究では、足の骨に着目した運動を継続しました。


評価したのは、かかとの骨の超音波指標や歩行時の足裏の使い方です。


介入後には、骨の指標と足裏の荷重バランスに改善がみられました。


研究② 要介護高齢者:歩く速さと足の使い方


平均80歳前後の要介護高齢者を対象とした研究では、足の骨に着目した体操を継続しました。


評価したのは、歩行速度、かかとの骨の指標、足裏の使い方です。


介入後には、歩く速さや前足部での蹴り出しに改善がみられました。


研究③ 40代女性:自宅オンライン運動


平均45歳前後の女性を対象としたオンデマンド運動の研究では、自宅で動画を見ながら運動を継続しました。


骨の超音波指標(SOS)、歩行速度、足指の力などに変化がみられ、自宅で行う運動の可能性を検討した研究です。


研究④ 高齢女性:椅子体操と認知機能


高齢女性を対象とした研究では、椅子で行える運動を継続し、骨の指標と認知機能を評価しました。


認知機能の総合スコアと骨の超音波指標(SOS)に改善がみられました。


研究⑤ 顔の骨に着目した30分の単回介入


顔の骨格に着目した30分の介入研究では、顔面積、シミ、目元や顔の小じわなど一部の指標に短時間の変化がみられました。


この研究はICANS 2023でPoster Presentation Awardを受賞しています。


ただし、この研究では顔の骨密度そのものは測定していません。『顔の骨密度が上がった』と解釈できる研究ではありません。


研究⑥ 高齢女性:姿勢・歩幅・骨


平均年齢が70代の女性を対象とした研究では、姿勢の角度、歩行速度、歩幅、骨の超音波指標(SOS)を評価しました。


運動群と対照群を比べると、頭部・上半身・骨盤などの姿勢指標と、歩く速さや歩幅の変化に差がみられました。

椅子から立ち上がり歩行へつなげるOSTEO®の運動イメージ
OSTEO®研究では、椅子体操から立位・歩行まで、日常機能とのつながりも評価しています。

研究⑦ 高齢者:大腿骨頸部のDXA骨密度


高齢者を対象とした研究では、かかとの超音波指標だけでなく、DXA法で大腿骨頸部と腰椎の骨密度も測定しました。


大腿骨頸部では有意な改善がみられ、腰椎は増加傾向が報告されています。


この研究は、OSTEO®研究の中でDXAによる大腿骨の評価を行った重要な研究です。


数値の大きさや単位については元データ確認が必要なため、本記事では変化量の具体値は掲載していません。


研究⑧ 60〜80歳の女性:顔の骨ケアと肌・血流


60〜80歳の女性が顔の骨に着目した運動を3か月継続した研究では、肌のきめ、頬の血流、自律神経の指標に変化がみられました。


30分の単回研究とは異なり、継続介入として評価した研究です。


研究⑨ 高校女子長距離選手:骨と足部機能


高校女子長距離選手を対象とした研究では、ウォームアップに足の骨に着目した運動を加えました。


評価したのは、かかとの骨の指標や足裏の接地です。介入後には、骨の指標と足裏の接地面積に改善がみられました。


研究から分かること


  • 骨の指標だけでなく、歩行・姿勢・足部機能まで一緒に評価してきた

  • 若年女性から要介護高齢者、女子アスリートまで対象が広い

  • 教室型だけでなく、自宅オンラインでも検証している

  • 顔の骨格に着目した美容・肌領域の研究も行っている


まだ分かっていないこと


  • 多くの研究は3〜4か月程度で、1年以上の長期効果は未検証

  • 実際の骨折や転倒が減るかは確認していない

  • 研究規模は20〜50名程度のものが中心

  • かかとの超音波指標とDXA骨密度は同じ指標ではない

  • 骨粗鬆症の治療薬に代わることを示した研究ではない


OSTEOの運動設計で重視していること


ここからは研究結果そのものではなく、OSTEOの運動設計上の考え方です。


OSTEOでは、強く力むことだけを目的にせず、余分な筋緊張を減らします。


骨・関節そのものが動ける状態をつくったうえで、小さな反復刺激を加えることを重視しています。


  • 骨・関節の構造を知る

  • 足・膝・股関節・骨盤・背骨などの動きのつながりを確認する

  • 余分な力みを減らして関節を動かす

  • 方向をそろえた小さな刺激を反復する

  • 立つ・歩く・姿勢といった日常機能につなげる


研究結果を読むときの注意


研究で『改善した』という結果があっても、すべての人に同じ変化が起きることを意味しません。


対象者、期間、頻度、測定方法によって結果は変わります。


骨粗鬆症の治療中の方、骨折歴がある方、背中や腰に強い痛みがある方は、主治医や専門職へ相談してください。


自己判断で強い運動を始めないでください。


関連記事



参考文献・学会発表


本記事は、広島大学 黒坂志穂研究室のOSTEO®/BONEプログラム関連研究をもとに整理しています。


2019年以降の論文・学会発表をもとにしています。


研究ごとの対象・方法・評価項目・限界は、下の「研究ごとの詳しい解説」から各記事で確認できます。


研究①〜⑥・⑧・⑨の参考情報





研究②|Kurosaka S, et al. The “Building Osteo Neatly Exercise” programme improves gait ability in older adults


with activities/instrumental activities of daily living disabilities.


The 25th Annual Congress of the European College of Sport Science 2020(学会ポスター).


研究③|Kurosaka S, et al. Effects of the on-demand SMILE exercise on bone strength and salivary Immunoglobulin A.


Sports Medicine Australia 2021(学会ポスター).


研究④|Kurosaka S, et al. The effect of the Hiroshima GENKI exercise on the bone strength


and cognitive function in elderly people. Sports Medicine Australia 2022(学会ポスター).


研究⑤|Kurosaka S, et al. Can the BONE rejuvenate perceived age?


International Conference on Adaptations & Nutrition in Sports 2023(学会ポスター).


研究⑥|Ikeda R, Kurosaka S, Takaura M, Kadomasu H, Deguchi T, Ueda T, Yanaoka T.


The effect of the bone strengthen exercise on the bone strength and posture in older adults.


International Congress of Physical Anthropology 2023(学会ポスター表記).


研究⑧|Shigeno N, Yoshida M, Miyamoto K, Kurosaka S. Effects of Cranial Bone Strengthening Program


on Facial Skin Condition. International Conference on Life Education and Well-Being 2025(学会ポスター).


研究⑨|Miyamoto K, Yoshida M, Shigeno N, Kurosaka S. Effects of OSTEO on Bone Density and Foot Function


in High School Female Distance Runners.2025年発表ポスター.



実際にOSTEO®を動画で体験したい方へ。

骨・姿勢・動きの考え方を、動画を見ながら実践できます。


研究ごとの詳しい解説



▶ 骨に有効な体操はこちら。

OSTEO®の動画配信では、骨・姿勢・動きの考え方を実践しながら学べます。



執筆者


黒坂 志穂(くろさか しほ)


広島大学 准教授/株式会社OSTEO 代表取締役。骨に着目した運動プログラムOSTEO®の開発と効果検証に取り組んでいます。

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