骨密度が高い人の特徴は?運動歴・体格・結果の読み方
更新日:10月5日
骨密度が高い人の背景には、生まれ持った条件、若い時期に獲得した骨量、体格、運動や月経の歴史などが関わります。
自分の高い結果を生かすには、何と比べた数値か、どの骨を測ったかを確かめ、骨量を保つ食事と、骨格で身体を支えて動く実践へつなげましょう。
「同年代より高い」と言われた方も、身近な人との違いが気になる方も、数字の背景を知ると次の行動が見えてきます。
この記事では、骨密度が高くなる背景と結果の読み方を、OSTEO®の骨格の見方につないで考えます。
骨密度が高い人は、何が違う?
今の骨密度には、若年期までにどれだけ骨量を獲得し、その後どれだけ保ってきたかが表れます。
若い時期に達する骨量の最大値を「最大骨量」と呼びます。成長期からの骨の蓄えが、その後の土台になるという見方です。
健康な若年日本女性157人を調べた原著研究では、運動歴と月経異常の歴史が骨密度を予測する因子となり、調べた遺伝子型との関係も報告されています。遺伝的な条件だけでなく、運動・月経の歴史も骨密度に関わっていたという結果です。[1]
体格を見るときには、骨そのものの大きさと、測定方法の関係も知っておきたいところです。
DXAは骨を立体の体積で測る方法とは違い、投影された面積あたりの値を出すため、骨の大きさの影響を受けます。体格と数値の関係を、食事量や体重だけで説明しきることはできません。[2]
閉経前後には女性ホルモンの変化を受けて骨量が減りやすくなるため、以前の骨量と今の骨量は分けて考えます。
骨密度が高い人と自分の体格や経歴を比べるだけで終わらせず、今からは何を保ち、どう動くかを選ぶことが役立ちます。
「骨密度が高い」は、何と比べた数字?
結果票の割合は、比べる相手を確かめると意味がはっきりします。若い成人の平均を100とした値がYAM%、同年齢の平均と比べた値は同年齢比です。
たとえばYAM110%なら、若い成人の平均を100としたときの110%という意味です。この数字は読み方を示す仮の例です。
同年齢比が高いことと、YAMが高いことは、比較の基準が異なります。また、腰椎と股関節では、骨のつくりや測定条件が違います。
比較基準・測定部位・測定方法の三つをそろえて読むと、「どこが、何と比べて高いのか」を理解できます。
骨年齢を測った体験例では、測る部位で結果が異なったことが記されています。数値を一つの目安として受け止める見方も示されています(勇崎、2017)。
骨年齢の表示とYAMは別の指標ですが、測定した場所と比較する相手を確かめる出発点は共通です。[4]

腰の数値だけ高いときは、どう読めばよい?
腰椎のDXAは、X線を使って骨のミネラル量を投影面積あたりの値として測ります。背骨の骨棘(こつきょく:骨のとげ)や変形性の変化が測定に重なると、骨密度が高く表示されることがあります。
これは、骨の材料が全身で増えたという変化とは分けて読む必要があります。[2]骨密度を正確に読むには、数値と測定画像を合わせて確認します。
ISCDの公式見解でも、局所的な形の変化や測定への影響がある椎骨を検討し、評価できる骨の値を使うよう示しています。[3]
結果説明では、「腰と股関節の値はどう違いますか」「腰の高さに変形などの影響はありますか」と尋ねると、自分の結果を具体的に理解できます。
部位が違う結果は、それぞれの意味を生かして受け止めます。測定部位の違いは、腰・股関節・かかとの骨密度の記事で詳しく紹介しています。
骨の強さには、量に加えて、骨の材料の性質と、内部の網目や骨全体の構造も関わります。骨の力学を整理したレビューでも、骨量と骨質の両面が取り上げられています。
骨密度で知る骨量に、構造や骨折歴の情報を合わせることで、今の骨をより広く捉えられます。[7]
高い骨量を、身体を支える働きへどうつなげる?
骨密度を知ることに、骨格の使い方を重ねるのがOSTEO®の視点です。身体を支える骨は、硬い棒が一体になったものではなく、関節でつながっています。
骨を動かし、関節を介してつなぐ働きを確かめると、数字で見る骨を、立つ・歩くときの自分の骨として捉えやすくなります。
足は、指の骨・甲の中足骨・足首側の足根骨に分けて捉えられます(文献[5])。片足にはこれら合わせて26個の骨があり、関節を挟んで動きをつなぐ構造です。骨の量とともに、このつながりを使うという見方ができます。[5]
OSTEO®では、この骨格の捉え方をかかと上げの指導へつなげています。指の付け根付近を床に残し、かかとを持ち上げるとき、支える前足部と、甲の中足骨を含む足の骨格の動きを一緒に見ます。
指の付け根側の支えを生かして、かかとを持ち上げるてこを引き出す、という実践の見方です。

OSTEO®の交互かかと上げでは、ステップ運動のように、左右交互にかかとを上げ下げします。
片側の膝の動きに合わせてかかとを上げ、下ろしてから左右を交替します。上げる側は、足指の付け根を含む前足部を床に残し、反対側のかかとも床に残します。
指導の狙いは、指の付け根で支える働きを強化し、かかとを持ち上げやすくして、骨のてこを引き出すことです。足の骨を動かす感覚を、膝・骨盤・背骨へ続く身体の支え方につなげます。
OSTEO®の「余分な力みを減らす→骨・関節を動かす→日々の動作へつなげる」という実践の一例です。数値から知る骨量と、動きの中で確かめる骨格の働きを一緒に育てていきましょう。
動作の説明は、OSTEO®の交互かかと上げの記事へ。痛みや骨折歴がある場合は、取り入れる姿勢や動きを身体の状態に合わせて選びます。
高い結果を、これからの生活にどう生かす?
今の骨量を支えるために、毎日の食事では、カルシウム・ビタミンD・たんぱく質と、必要な食事量を確かめます。
乳製品や豆腐、小松菜などカルシウムを含む食品、魚や卵などの主菜を組み合わせましょう。ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。[6]
体格が骨密度に関係していても、数値を高くするために体重を増やすことを目標にする必要はありません。
極端な減量で食事の材料を減らさず、今の身体を支えられる食事と動きを続ける方向で考えます。以前の運動歴が短かった方も、今日の一食と骨格を確かめる動きから始められます。
結果を読み解く:比較の基準・部位・方法を確かめ、腰だけ高いときは測定画像の意味も聞く。
骨の材料を保つ:食事量とカルシウム、ビタミンD、たんぱく質を含む食品を確かめる。
骨の働きを使う:足指の付け根の支えと骨・関節の動きを、立つ・歩く場面へつなげる。
検査での経過も、身体の動きも、同じ条件で確かめると変化が分かりやすくなります。前の結果票を保管し、次回は同じ部位・方法で比べることを相談しましょう。食事と運動の全体像は、骨密度を上げるための対策の記事で紹介しています。
結論|骨密度が高い背景には、若い時期の骨量、遺伝的な条件、体格、運動・月経の歴史が重なります。高い結果を読み解き、骨の材料を保ち、骨格で身体を支える働きを毎日の動作へつなげましょう。
参考文献・資料
[1]Fujita Y, Katsumata K, Unno A, Tawa T, Tokita A. Factors Affecting Peak Bone Density in Japanese Women. Calcif Tissue Int. 1999;64:107–111. 出版社の抄録(原著研究)
[2]Slart RHJA, Punda M, Ali DS, et al. Updated practice guideline for dual-energy X-ray absorptiometry (DXA). Eur J Nucl Med Mol Imaging. 2025;52:539–563. 本文(診療実務ガイドライン。オンライン公開2024年9月24日)
[3]International Society for Clinical Densitometry. 2023 Official Positions(公式見解)
[4]勇崎賀雄『50歳からは「筋トレ」してはいけない 何歳でも動けるからだをつくる「骨呼吸エクササイズ」』講談社+α新書、2017年。(書籍)
[5]勇崎賀雄『「80歳の壁」を越えたければ足の親指を鍛えなさい』講談社+α新書。(書籍)
[6]公益財団法人 骨粗鬆症財団。骨粗鬆症における栄養(一般的な栄養の説明)
[7]Morgan EF, Unnikrisnan GU, Hussein AI. Bone Mechanical Properties in Healthy and Diseased States. Annu Rev Biomed Eng. 2018;20:119–143. 出版社の抄録(レビュー)
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執筆者
黒坂 志穂(くろさか しほ)
広島大学 准教授/株式会社OSTEO 代表取締役。骨に着目した運動プログラムOSTEO®の開発と効果検証に取り組んでいます。




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