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骨粗鬆症とは?症状・検査・治療と、50代から骨を守る始め方

10月6日
読了時間: 8分

更新日:10月7日

骨粗鬆症は、骨の強さが低下し、骨折しやすくなる病気です。痛みがないまま進むこともあるため、閉経前後は今の骨を調べ、食事と日々の動きを見直すことが大切です。[1、2]


最初に知っておきたいことを、5つにまとめます。


  • 骨で何が起こる? 骨の量や内部のつくりが変化し、軽い転倒などでも骨折しやすくなります。


  • どう調べる? 整形外科などで、腰と足のつけ根の骨密度を測るDXA検査を相談します。


  • 結果と費用は? DXAでYAM70%以下は、骨粗鬆症の診断基準です。骨折歴なども合わせて判断します。検査だけで3割負担約1,350円という施設例があります。


  • 今日、何をする? 検査結果や骨折歴を整理し、骨の材料になる食事と、骨格の支え・関節の動きを確かめます。


  • 治療は必要? 骨密度と骨折歴などから判断します。必要な薬物治療と生活の対策を一緒に進めます。[2~4]


骨粗鬆症では、骨の何が変わる?


骨は、身体を支えながら、古い部分を取り除き、新しい部分をつくり続けています。この入れ替わりが骨リモデリングです。骨吸収と骨形成の釣り合いが崩れ、失われる分を十分に補えない状態が続くと、骨量が減っていきます。[1]


骨の強さには、骨密度と骨質の両方が関わっており、骨の強度=骨密度50%➕骨質50%と言われています。 骨密度は骨に含まれるミネラルの量を評価する指標です。骨質には、骨の細かな構造や材質の性質などが含まれます。骨密度の割合だけで、骨の強さ全体を表すことはできません。[2]


OSTEO®では、骨を身体を支える生きた組織として捉えます。数値で今の骨を確かめることと、骨格が日常でどう働くかを知ることをつなげて考えます。仕組みを詳しく知りたい方は、骨リモデリングと運動刺激へ進んでください。


骨強度の構成図


50代・閉経前後は、なぜ気をつけたい?


閉経前後には、骨代謝を調整する女性ホルモンのエストロゲンが減少し、骨吸収が骨形成を上回りやすくなります。同じ50代でも、閉経の前後や、これまでの骨の状態によって変化は異なります。[1、2]


女性を追跡したSWAN研究では、閉経後の初期に、腰椎や股関節の骨密度の低下が目立ちました。以前の検査が良好だった方も、今の状態を見直す意味があります。[5]


このことから、閉経後の骨密度低下はまず、閉経初期に訪れることを留意しておく必要があると考えられます。


低体重や極端な食事制限、運動不足、喫煙、骨に影響する病気や薬なども確認したい要素です。閉経の時期や更年期症状と合わせた考え方は、更年期と骨粗鬆症で解説しています。


症状がなくても調べる?受診のきっかけは?


骨粗鬆症は、物言わぬ症状と言われており、骨折するまで気づきにくいことが特徴です。背中や腰の痛み、背中が丸くなったこと、身長が以前より低くなることなどが、骨粗鬆症のサインとなることもあるため、受診時に伝えたい変化です。軽い転倒で手首などを骨折した経験も、骨の評価につながります。[1]


「痛くないから大丈夫」と決めず、骨折歴と身体の変化を一緒に確かめましょう。 閉経前後で骨密度を測ったことがない方や、検診で低下を指摘された方は、検査の必要性を相談してください。


転倒後に強い痛みがある、立つ・歩くことが難しい場合は、体操を試す前に受診します。骨粗鬆症や骨折のある方は、運動前に行える動きと負荷を確認しておきましょう。[1、6]


そして、ろっこつの痛みなども、骨粗鬆症の判断材料としては重要です。ろっこつは骨折をしてもギブス固定などが難しい部位ですが、骨粗鬆症になるとくしゃみや咳などの刺激でろっこつが骨折しやすくなることもあるため、骨密度検査を実施されることをお勧めします。[6]


骨粗鬆症の検査は、どこで何を調べる?


骨密度の詳しい評価では、腰椎と大腿骨近位部をDXAで測る方法が基本になります。大腿骨近位部は、股関節に近い太ももの骨です。整形外科や骨粗鬆症外来などへ、「腰と大腿骨をDXAで測れますか」と確認すると、検査の内容が分かります。[2]


骨質の詳しい評価では、かかとの超音波検査(QUS)が骨の状態を知る目安として活用できます。こちらの検査は、測定自体は30秒程度で終了することが多く、超音波で測定可能なため、非常に安全に骨質を評価できるとされています。


かかとの骨の強度は、骨質の中でも特に運動習慣を反映される、とも言われているため、DXAでの測定と合わせて実施されることをお勧めします[2、3]


腰椎と大腿骨近位部のDXA、踵骨のQUSを区別した測定部位の比較図


費用は、検査料と診察を含む総額を分けて聞く


一例として、済生会横浜市南部病院は、腰椎と大腿骨の検査のみで3割負担約1,350円、1割負担約450円と案内しています。全国一律の総額ではなく、診察料やほかの検査料は別に確認する必要があります。[4]


自治体検診の助成や対象、自費健診の費用も施設・地域で異なります。予約時に保険適用と総額を聞き、以前の結果票があれば持参しましょう。服装や当日の流れは、骨密度検査の受け方と費用にまとめています。


YAM70%・80%は、どう受け止める?


YAM%は、20−44歳までの「ピーク」といわれる成人の骨密度平均値を100%としたときのご自身の骨密度を判断する指標です。骨粗鬆症の基準は、70%とされており、基本的な考え方としては、骨強度がピーク時の7割程度になってくると、骨折しやすくなるという理解で良いと思います[3]。


加齢や閉経に伴う骨粗鬆症では、ほかの病気や薬の影響を確認したうえで、骨密度と脆弱性骨折を組み合わせて診断します。脆弱性骨折とは、立った高さからの転倒程度か、それ以下の力で起こる骨折です。[3]


  • 脆弱性骨折がない場合:YAM70%以下、または若年成人平均値から−2.5SD以下が診断条件です。


  • 背骨や大腿骨近位部の脆弱性骨折がある場合:骨密度の割合にかかわらず、診断条件に当てはまります。


  • 手首の橈骨遠位端など、基準に定められた他の部位の脆弱性骨折がある場合:その骨折歴に加え、骨密度がYAM80%未満であることが診断条件です。[3]



骨粗鬆症と診断されたら、治療はどう進む?


治療の大切な目標は、骨折を防ぎ、日常生活を続けられる状態を保つことです。食事・運動・転倒予防を土台にしながら、骨折リスクに応じて薬物治療を組み合わせます。[2]


薬には、骨を壊す働きを抑えるものや、新しい骨をつくる働きを促すものなどがあります。選び方は骨密度や骨折歴、年齢、持病、生活状況によって異なり、医師と相談して決めましょう。[2]


診察では「今の私に薬が必要な理由は何ですか」「次は何を調べ、いつ経過を確認しますか」と聞いてみましょう。服用や通院で困ることも伝えると、続け方を相談しやすくなります。体調や数値がよくなったときも、薬の変更・中止は自己判断で行いません。


今日からは、食事と骨格の使い方をどう見直す?


骨の材料を、今日の一食で確かめる


カルシウム、ビタミンD、たんぱく質を、食事全体で不足なく取ることを考えます。乳製品や豆腐、青菜などがあるか、魚・肉・卵・大豆製品などの主菜を抜いていないかを見てみましょう。極端な食事制限も見直したい点です。[7]


検査結果を見ながら食事と運動を続ける考え方は、骨密度を上げるための食事・運動・検査で詳しく紹介しています。


骨のための運動習慣も大切


OSTEO®では、「骨は、普段受けている負荷より、大きな負荷が加わることで強くなる」という骨のメカニズムに基づいて、全身の骨をパーツ別に分けて、関節機能を考えながら、安全かつ効率的に骨を強化するプログラムを提供しています。


余分な力みを減らし、足・膝・股関節・骨盤・背骨のつながりを、動作へ生かしていきます。


たとえば立ったとき、足指の付け根とかかとがどう床に接しているか。椅子から立つとき、膝と股関節がどう動き、骨盤と背骨が身体を支えるか。いつもの動作にも、骨格を知る手掛かりがあります。


支持物に手を添えて片側の膝を曲げ、足指の付け根を床に残してかかとを上げる女性

図は、左右交互のかかと上げの一場面です。足指の付け根で支え、膝の動きとかかとの上下をつなぎ、反対側のかかとは床に残します。指の付け根の支えを育て、かかとを持ち上げやすくして、骨の「てこ」を引き出しながら、運動機能向上のポイントを明確にしながら、骨を強化していくことがOSTEO®の狙いです。


手順は骨のてこを使う交互のかかと上げへ。運動の組み合わせを知りたい方は骨粗鬆症予防の運動、負荷の選び方や動作の確認点は骨格から考える筋トレの始め方へ進んでください。


よくある質問


検診で「要精密検査」なら、もう骨粗鬆症ですか?


要精密検査は、詳しく調べる必要があるという判定です。医療機関で骨密度や骨折の有無、ほかの病気などを確認し、診断と治療の必要性を判断します。結果票を保管して受診につなげましょう。[2]


整形外科と婦人科、どちらに相談すればよいですか?


骨密度や骨折歴の詳しい評価は、整形外科や骨粗鬆症外来などが入口になります。ほてりや発汗など更年期症状もある場合は、婦人科で骨の心配も一緒に伝えられます。測れる部位や機器は施設ごとに異なるため、予約時に確認してください。


自分の骨を知り、今日の行動へつなげる


まずは結果票、過去の骨折、閉経の時期、服用中の薬を整理する。そして今日の食事と、立つ・歩くときの骨格の働きを一つ確かめる。今の骨を調べること、必要な治療、日々の実践を並行して進めることが、50代からの骨の健康につながります。


参考文献・資料


[1]日本整形外科学会「骨粗鬆症(骨粗しょう症)」。症状・原因・受診の考え方。


[2]日本骨粗鬆症学会ほか『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版』。定義、診断、治療の基本方針。


[3]日本骨代謝学会・日本骨粗鬆症学会「原発性骨粗鬆症の診断基準(2012年度改訂版)」。表2。


[4]済生会横浜市南部病院「骨密度測定検査」。料金案内、2026年10月6日確認。


[5]Finkelstein JS, et al. Bone Mineral Density Changes during the Menopause Transition in a Multiethnic Cohort of Women. J Clin Endocrinol Metab. 2008;93:861–868. doi:10.1210/jc.2007-1876.


[6]日本骨粗鬆症学会 OLS PRIME Guide「骨粗鬆症患者における運動療法の実際と管理」。2026年2月27日。


[7]厚生労働省 e-ヘルスネット「骨粗鬆症の予防のための食生活」。


執筆者


黒坂 志穂(くろさか しほ)


広島大学大学院人間社会科学研究科 准教授/株式会社OSTEO 代表取締役。骨に着目した運動プログラムOSTEO®の開発と効果検証に取り組んでいます。


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