骨密度を上げるには?運動・食事・検査で始める骨の対策
更新日:10月8日
骨密度を上げるには、骨の材料になる栄養を確保し、骨に刺激を届ける運動を続け、検査で今の状態を知ることが大切です。
50代から骨が気になるときは、「何を食べるか」とともに「骨をどう動かすか」へ目を向けましょう。
骨は、身体を支え、関節を介して動きをつなぐ生きた組織です。
OSTEO®では、骨の性質と骨格の動きを学び、立つ・歩くという毎日の動作へつなげることを重視します。
骨密度を上げるには、まず骨の何を知る?
骨はミネラルだけのかたい塊ではありません。
コラーゲンというたんぱく質の繊維とミネラルが組み合わさり、身体を支えるつくりを持っています。
骨の強さには、材料の状態と骨の細かな構造も関わります。[1]
骨密度は、骨に含まれるミネラルの量を評価する指標です。
大切な手がかりですが、骨の材料や構造のすべてを一つの数値で示すものではありません。
数字を見るときも、骨そのものの働きを一緒に考えます。
骨密度を測ったことがあるか、軽い力で骨折したことがあるかを確かめると、これからの対策を考えやすくなります。
骨が丈夫になったかどうかを、体感や短期間の数字だけで決めないことも大切です。
骨に刺激を届ける運動は、何を大切にする?
OSTEO®では、「負荷」と「振動」の2つを軸に運動を設計します。
負荷:日常より少し強い刺激を、身体に合う範囲で加えます。振動:骨・関節の動きを生かし、小さな反復刺激を届けます。
余分な力みを抜き、骨と関節を動かし、立つ・歩く動作へつなげます。
閉経後女性の運動研究を集めた分析では、運動群の腰椎や股関節の骨密度は、対照群より良好でした。
研究で用いられた運動の内容や条件はさまざまです。これは運動プログラムをまとめた結果です。
この記事の交互のかかと上げ単独や「振動」だけの効果を示したものではありません。[2]
OSTEO®の運動設計では、余分な力みを抜き、骨と骨の間にある関節がどう動くかを確かめます。
骨格の動きをつなぎ、小さな反復刺激を加え、立つ・歩く動作へつなげる順序です。
たとえば足首だけに目を向けるのでなく、指の付け根、足首、膝がどうつながって動くかを見る。
骨を動かす運動では、このような関節の連動を大切にします。
かかと上げで、骨のてこをどう引き出す?
かかと上げでは、指の付け根を支えにして、左右交互に踵を上げ下げします。[3]
OSTEO®では、ステップを踏むように片側の膝を曲げながらかかとを上げます。
足指の付け根を含む前足部と、反対側のかかとは床に残して左右を交替します。
指の付け根で支える働きを強化し、かかとをより楽に持ち上げられる足を目指す体操です。
指の付け根側を支えに、中足骨を含む骨格をてこの腕として使い、骨のてこを引き出します。詳しい動きは下の記事へ。

食べ物は、骨のどの材料を支える?
骨を考えると、カルシウムがまず思い浮かぶかもしれません。ミネラルと組み合わさるコラーゲンもたんぱく質です。
食事は、骨を構成する材料を支えるものとして捉えましょう。
カルシウムは乳製品、小魚、大豆製品、青菜などから、ビタミンDは魚類やきのこ類などから取れます。
たんぱく質も含め、毎日の食事全体で不足を避けることが基本です。[4]
一つの食品を増やせば、そのまま骨が埋まるわけではありません。
食事で材料を確保し、骨を動かす習慣へつなげる、と考えると両方の役割がわかります。
極端な食事制限や体重減少にも目を向けてください。サプリメントを使うときも、食事の不足や持病、服用中の薬を合わせて考えます。
複数の製品を自己判断で重ねる前に、必要な量を確認しましょう。
検査結果を、今日の骨のためにどう生かす?
腰・股関節のDXA(デクサ)と、かかとの超音波検査は、測るものが違います。結果を比べる前に、まず方法と部位を確かめましょう。[6]

前回と今回の結果票では、この4点を確認します。
部位:腰・股関節・かかとの、どこを測った?
方法:DXA?超音波?同じ方法?
装置:同じ施設・機器?変わっていない?
指標:g/cm²・YAM%・Tスコアの、どの数値?
できれば同じ施設・装置で、同じ部位を測った結果を比べます。装置が変わったときは、比較できる条件かを確認しましょう。[5]
結果票では「今回の差は、測定のばらつきを超えていますか」と確認し、運動や食事を続けながら経過を追いましょう。
検査の受け方や数値の詳しい読み方は、下の骨密度検査の記事で確認できます。[5]
骨粗鬆症と診断された方や骨折リスクが高い方は、必要な治療と、身体に合う動きを一緒に考えます。
痛みや骨折歴がある場合に、急にジャンプや強い負荷を加えることは避け、運動の選び方を確認してください。
今日の一歩は、骨の材料を支える食事を整え、骨と関節の動きを意識する時間をつくること。
検査結果も、その習慣と必要な治療を考える材料にしましょう。
結論|骨密度を上げるには、骨の材料を支える食事、骨に刺激を届ける運動、今の状態を知る検査をつなげます。
OSTEO®では、骨と関節の連動を大切にし、毎日の立つ・歩く動作へ生かします。
参考文献・本人教材
[1]Morgan EF, Unnikrisnan GU, Hussein AI. Bone Mechanical Properties in Healthy and Diseased States.
an updated systematic review and meta-analysis of intervention studies with emphasis on potential moderators. 2023.
[3]勇崎賀雄『「80歳の壁」を越えたければ足の親指を鍛えなさい』。指の付け根で支え、左右交互に踵を上げ下げする説明を参照。
運動設計の参考教材:『初級教科書』16頁、『OSTEO完全版』。「負荷」と「振動」の2本柱の説明を参照。
[5]Slart RHJA, Punda M, Ali DS, et al. Updated practice guideline for dual-energy X-ray absorptiometry (DXA).
関連情報
▶ 骨に有効な体操はこちら。
OSTEO®の動画配信では、骨・姿勢・動きの考え方を実践しながら学べます。
執筆者
黒坂 志穂(くろさか しほ)
広島大学 准教授/株式会社OSTEO 代表取締役。
骨に着目した運動プログラムOSTEO®の開発と効果検証に取り組んでいます。



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