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骨粗鬆症の体操|椅子で始める運動と安全なやり方

10月1日
読了時間: 6分

更新日:10月8日

骨粗鬆症の体操は、椅子に座って始められます。


OSTEO®では、足先や肋骨など、動かしたい部位を一つずつ意識し、余分な力みを減らしながら骨格を使うことを大切にしています。


大切なのは、どこの骨を、どの方向へ動かすかをはっきりさせること。


この記事では、足先ブルブル&タップと肋骨呼吸を例に、座ってできる動かし方と、骨粗鬆症のある方が確認したいポイントを紹介します。


椅子に座ると、動かしたい骨や関節に意識を向けやすい


立った姿勢では、身体を支えながらバランスを取る必要があります。


椅子に座ると、その負担を調整しながら、足部、膝、股関節、骨盤、肋骨などを部位ごとに動かしやすくなります。


OSTEO®が大切にするのは、どこの骨を、どの方向へ、どのくらい動かすかという視点です。


全身を一度に大きく動かすよりも、狙った部位の動きを確かめながら取り組めることが、椅子体操のよさです。

椅子に座る女性と、足部・骨盤・肋骨・背骨などの骨格を示したOSTEO®の考え方の図
椅子を使い、足・肋骨など動かす部位を意識するOSTEO®の考え方を示す概念図。実際の運動は、骨の状態に合った動きから選びます。

始める前に、骨折歴・痛み・椅子を確認する


骨粗鬆症でも、行える運動は人によって異なります。


特に背骨の圧迫骨折や繰り返す骨折がある方、最近骨折した方は、行える姿勢や動きの範囲を医師や理学療法士に確認しましょう。[1]


  • キャスターのない、ぐらつかない椅子を使う

  • 足が床につき、座面から身体がずれにくい高さを選ぶ

  • 痛みを我慢せず、息を止めずに動かす


背中を深く丸め続ける動きや、反動をつけて大きく曲げる動きは避け、無理のない範囲で行います。


新しい強い腰背部痛がある場合は、体操を始める前に受診してください。[1]


1.足先ブルブル&タップで、足部を小さく動かす


足には小さな骨が集まり、関節を介してつながっています。


この体操では、椅子に座ったまま足先を細かく動かし、続けて指先で床を軽くタップします。


脚全体を固めず、足先が動く余地をつくることがポイントです。


両手で座面を支え、足先が動きやすい姿勢に


椅子に座り、両足を無理のない範囲で少し開きます。両手で座面を支え、身体がずれないようにしてから、つま先を少し外へ向けます。


肩や太ももに力が入りすぎていないかも確かめましょう。


足先を細かくブルブル動かす


足先を床につけたまま、上下に小さく振動させます。


大きく脚を持ち上げたり、床を強く踏みつけたりせず、貧乏ゆすりのような細かな動きをつくります。


指先で床を軽くタップする


次に、足の指先側で床を「トン、トン」と軽く弾く動きへ切り替えます。かかとを強く落とす必要はありません。


足先を柔らかく使い、小さな動きを続けます。


OSTEO®の動画では、ブルブル8カウント、タップ8カウントを交互に行います。


骨粗鬆症のある方は、図や動画の回数を一律の目標にせず、確認した動きの範囲と、その日の体調に合わせて調整してください。

座面を両手で支え、足を開いて足先を小さく振動させる姿勢と、指先で床を軽くタップする動きを示した図
足先を細かく揺らし、指先で軽くタップします。回数は体調と指導内容に合わせます。

手順や実際の動きは、足先ブルブル&タップの詳しい解説と動画で確認できます。


2.肋骨呼吸で、胸郭の広がりを感じる


肋骨・胸骨・胸椎でつくられる胸郭も、呼吸に合わせて動きます。


足先の次は、肩の力を抜き、息を吸うときに胸や脇腹、背中側が広がる感覚を確かめてみましょう。


  1. 椅子に安定して座り、肩の力を抜いて、背骨を無理なく起こす

  2. 鼻からゆっくり吸い、胸・脇腹・背中側へ肋骨が広がる感覚を意識する

  3. 広がった肋骨が自然に戻るように、ゆっくり吐く


ここでは、骨粗鬆症のある方にも取り入れ方を相談しやすい、呼吸の基本部分を紹介しています。


肋骨を手で強く押したり、吐き切ろうと背中を深く丸めたりする動きは加えません。


胸や背中に痛みが出る、息苦しくなる、めまいがする場合は中止します。


肋骨骨折や背骨の骨折がある方は、この呼吸の行い方も担当の医療者へ確認してください。


肋骨を広げる考え方は、OSTEO®の肋骨呼吸で詳しく紹介しています。


リンク先には体幹を動かす応用も含むため、骨粗鬆症や骨折歴のある方は、確認できた範囲で取り入れてください。


座位の体操を、立つ・歩く動きにどうつなげる?


足や胸郭を動かしたら、いつもの立ち上がりや歩行で、その部位がどう働くかにも目を向けてみましょう。


立つことが安定している方は、必要に応じて、支持物を使ったかかと上げや筋力・バランスの運動を組み合わせます。[1]


立位に不安がある方は、座って行える部位の運動を続けながら、立つ・歩くために必要な練習を相談します。


椅子体操の役割を生かしつつ、ご自身の骨の状態と生活に合った組み合わせを考えることが大切です。


立位で行うOSTEO®の交互のかかと上げでは、足指の付け根を支点に、膝の動きとかかとの上下をつなぎます。


立位運動が可能な方は、骨のてこを使うかかと上げも参考にしてください。


椅子の体操で、骨密度は上がる?


骨への運動効果は、対象者、動かす部位、運動の内容や期間、測定方法によって変わります。


OSTEO®の研究でも、これらをそろえて効果を確かめています。


女子大学生40名を運動群20名・対照群20名に分けた研究では、BONEプログラムを週1回60分、4か月行いました。


足部に着目し、床上と椅子での運動を組み合わせたプログラムです。


かかとの超音波指標と歩行時の足底圧を評価し、運動群では超音波指標の改善が認められました。[2]


これは、複数の運動を組み合わせたプログラム全体の結果です。


この記事の足先体操や呼吸だけで、骨粗鬆症の方の腰椎・大腿骨の骨密度が上がることを示した研究ではありません。


検査や必要な治療を続けながら、日々の運動を組み立てていきましょう。


今日動かす部位を、一つ決めてみましょう


足先を力まず動かせるか。息を吸うとき、肋骨が横や背中側にも広がるか。


椅子に座ったままでも、自分の骨格の動きを確かめることはできます。


まずは痛みのない範囲で、動かしたい部位を一つ選ぶ。そして、その部位が立つ・歩く・呼吸するときにどう働くかを知る。


骨の状態に合った体操を、日々の身体の使い方につなげていきましょう。


参考文献・資料



Br J Sports Med. 2022;56:837–846. doi:10.1136/bjsports-2021-104634.



J Phys Ther Sci. 2019;31:717–723. doi:10.1589/jpts.31.717.


OSTEO®の動きを動画で確かめる


骨・姿勢・動きの考え方を、動画を見ながら実践できます。骨粗鬆症や骨折歴のある方は、担当の医療者に確認した範囲で取り組みましょう。



執筆者


黒坂 志穂(くろさか しほ)


広島大学 准教授/株式会社OSTEO 代表取締役。骨に着目した運動プログラムOSTEO®の開発と効果検証に取り組んでいます。

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