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更年期の運動|50代から骨・関節を動かす、体調に合わせた続け方

10月1日
読了時間: 7分

更新日:10月8日

運動したいけれど、疲れる日もある。膝や肩がこわばる。骨密度も気になってきた。更年期には、そんな変化が重なることがあります。


まずは、その日の体調に合わせて、動かす骨や関節を一つ決める。そこから歩くことや筋力運動を組み合わせていきましょう。


OSTEO®では、足・骨盤・背骨・肋骨を部位ごとに動かし、その働きを立つ・歩く・呼吸するといった動作へつなげます。


更年期は、骨と身体の使い方を見直す時期


閉経前後は、エストロゲンの低下に伴って骨代謝が変わり、骨量が減りやすくなります。痛みだけでは分からない変化です。[1]


運動を始めることと、今の骨の状態を知ることを一緒に考えましょう。骨の健康は、更年期の診察でも相談できます。[1、2]


立つ・歩く・階段を上るときには、骨の支え、関節の動き、筋力やバランスが一緒に働いています。


更年期の健康管理でも、身体活動を通して筋量・筋力を保つことが勧められています。[2]


OSTEO®で確かめるのは、どの骨で支え、どの関節を動かすか。たとえば、足指の付け根の支えと、膝・股関節の動きです。


足元の動きを骨盤・背骨へつなげる。このように部位を具体的にすると、日常の動作で意識する点が見えてきます。


その日の体調に合わせて、始め方を選ぶ


体調がよい日は、歩くことや立って行う運動へ。疲れがある日は、椅子に座って一つの部位を小さく動かす方法もあります。


  • 座って始めたい:足先や肋骨を小さく動かす

  • 歩くときの足元が気になる:足指の付け根の支えを確かめる

  • 尿もれが気になる:骨盤まわりの力みと呼吸も確かめる


どの日も、痛みを我慢して続けません。関節の腫れ・熱感、強い痛み、しびれがある場合は、運動の前に相談してください。


症状をすべて更年期のせいと決めつけないことも大切です。別の病気が隠れていないか、確認が必要な場合があります。[3]


座って動く日:足先から小さな動きをつくる


長く座っていると、足先を動かす機会は少なくなります。足先ブルブル&タップは、座ったまま足部や足関節を動かす体操です。


安定した椅子に座り、脚の間で座面を両手で支えます。足を少し開き、つま先は少し外へ。肩や太ももの力を抜きましょう。


足先を床につけたまま、上下に細かくブルブルと動かします。大きく脚を持ち上げず、小さな振動をつくります。


次に、足の指先側で床を「トン、トン」と軽くタップします。かかとを強く落としたり、足裏全体で踏み込んだりしません。


固定脚の椅子で脚の間の座面を両手で支え、足先を細かく揺らす動きと指先側で軽くタップする動き
座面を支え、足先を細かく揺らしてから、指先側で軽くタップします。

太ももに強い力が入っていないか、床を踏みつけていないか。回数を増やす前に、足先が小さく動いているかを確かめます。


実際の動きは、足先ブルブル&タップの解説と動画へ。足の痛みやしびれがある場合は行わず、相談してください。


上半身が固まりやすい日は、肋骨を動かす


椅子に座り、両手を肋骨の下の方へ軽く添えます。肩の力を抜き、息を吸うときの脇腹や背中側の広がりを感じてみましょう。


骨盤の上で背骨を無理なく起こし、広がった肋骨が自然に戻るように吐きます。腰を強く反らせたり、手で押し込んだりしません。


呼吸に合わせ、肋骨が広がって戻る動きを確かめる。詳しい姿勢と手順は、肋骨を広げる呼吸で紹介しています。


体調がよい日は、足元の支えを歩く動きへ


歩く前に、足指の付け根で床を支えられるかを確かめます。OSTEO®の交互のかかと上げは、その働きを意識する体操です。


安定した机に手を添え、片側の膝を曲げ、痛みのない範囲でかかとをできるだけ高く上げます。足指の付け根は床に残し、反対側のかかとも床につけたままです。


上げたかかとを戻したら、左右を交替します。膝の動きとかかとの上下をつなぎ、足の骨がてこのように働くことを意識します。


足指の付け根を床につけて身体を支え、反動を使わず、自分が無理なく動かせる範囲を確かめます。次の一歩へつなぐ足元の働きを意識しましょう。


詳しい手順は、交互のかかと上げへ。ふらつきや痛みがある場合は無理をせず、安全にできる動きを相談しましょう。


尿もれが気になるときは、骨盤と呼吸も見る


骨盤底筋は、骨盤の内側に付着し、骨盤の底を支える筋群です。その周囲には、恥骨・坐骨・仙骨・尾骨などの骨があります。


腸骨・坐骨・恥骨・仙骨・尾骨の位置を示した骨盤の模式図
骨盤を構成する骨の位置を示した模式図。骨盤全体と股関節の動きに目を向けます。

OSTEO®では、骨盤全体と股関節の動きにも目を向けます。周囲を固めすぎず、必要なときに収縮し、ゆるめられる状態を目指します。


まず、息を止めていないか、お尻や内ももまで力んでいないかを確認します。強く締め続けることが目的ではありません。


収縮の感覚が分からない方や、尿もれが続く方は、婦人科・泌尿器科などへ。自分に合う練習方法を相談できます。


詳しくは、更年期の骨盤底筋・呼吸・姿勢へ。骨格への着目だけで、尿もれの治療効果が確認されたという意味ではありません。


ウォーキングだけでいい?運動の役割を分ける


歩くことは、日々の活動を保つよい習慣です。骨の健康には、体重を支える活動と筋力運動を組み合わせることが勧められます。[4]


OSTEO®では、歩数とともに、足・膝・股関節がどう動くかにも目を向けます。足先の運動は、こうした動きを確かめる入口です。


一方、身体を支える力をつけるには、筋力に負荷をかける運動も必要です。椅子からの立ち上がりなどを取り入れる方法があります。


転びやすさが気になる方は、筋力とバランスの両方を確認します。ふらつきがある場合は、適した練習を専門家と選びましょう。[6]


足先を動かすことだけで、全身に必要な運動を終えたとは考えません。関節を動かす、体重を支える、力をつける。役割を組み合わせます。


続け方の例:小さな動きと、歩く日を組み合わせる


たとえば、座り仕事の合間に足先を動かし、上半身が固まったら肋骨呼吸を。生活の中で、取り入れやすい場面を決めます。


体調がよい日は、足元の支えを確かめてから散歩へ。別の時間に、自分に合う立ち上がりなどの筋力運動を組み合わせます。


疲れが強い日は量を減らし、休息を取って落ち着いてから再開します。毎日同じ量より、体調に合わせて続けられる形を選びましょう。


筋力トレーニングは、厚生労働省が成人に週2〜3日を勧めています。負荷や回数は、自分の体力や運動歴に合わせます。[5]


この頻度は、筋力に負荷をかける運動の目安です。足先ブルブルや肋骨呼吸を、その回数だけ行えば十分という意味ではありません。


骨密度が低い方、症状が続く方へ


骨粗鬆症や骨折歴がある方は、姿勢や負荷を医師・理学療法士へ確認します。特に背骨の骨折がある方は、個別の助言が大切です。[6]


背中を大きく丸める前屈や、大きな衝撃を加える動きは、自己判断で強めません。動かせる範囲や方法を確かめて取り組みます。[6]


骨が変わる理由や検査・食事については、更年期と骨粗鬆症にまとめています。検査や必要な治療も、運動と一緒に進めましょう。


関節の腫れや痛みが続く場合は、更年期の関節痛と受診の目安も確認してください。


ほてりや不眠などで生活に支障がある場合も、婦人科などで相談できます。運動・食事・休養の見直しと治療を、一緒に考えます。[3]


今日、動かす骨や関節を一つ決める


座っている時間には足先や肋骨を。体調がよい日は、足元の支えを歩く動きへ。骨盤まわりが気になるなら、呼吸と力の抜き方を。


どこの骨や関節を動かし、日常のどの動作へつなげるか。更年期からの運動を、自分の骨格を知り、身体を使う習慣にしていきましょう。


参考文献・資料


[1]日本産婦人科医会「骨粗鬆症」。閉経後の骨代謝と骨の評価。



[3]日本産科婦人科学会「更年期障害」。2025年1月30日更新。





Br J Sports Med. 2022;56:837–846. doi:10.1136/bjsports-2021-104634.


動画で、骨・関節の動きを確かめる


ご自身に合う動きを動画で確かめたい方へ。OSTEO®の体操を、無理のない範囲から取り入れてみましょう。



執筆者


黒坂 志穂(くろさか しほ)


広島大学 准教授/株式会社OSTEO 代表取締役。骨に着目した運動プログラムOSTEO®の開発と効果検証に取り組んでいます。

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